第7節 懲戒手続(第66条―第86条)/自衛隊法施行規則


(昭和二十九年六月三十日総理府令第40号)

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最終改正:平成一五年一〇月八日内閣府令第92号


 自衛隊法の規定に基き、及び同法を実施するため、 自衛隊法施行規則を次のように定める。


    第7節 懲戒手続

(懲戒権者)
第66条  法第46条に規定する懲戒処分は、法第31条第1項の規定により懲戒処分の権限を有する者(以下「懲戒権者」という。)が本節の規定に従つて行う。
 懲戒権者が、懲戒処分を行うにあたつては、適正、且つ、迅速を旨としなければならない。

(懲戒補佐官)
第67条  懲戒権者は、あらかじめ部下の上級の隊員のうちから二人以上六人以内の懲戒補佐官を指名する。
 懲戒補佐官は、懲戒処分について懲戒権者を補佐する。

(申立)
第68条  何人も、隊員に規律違反の疑があると認めるときは、その隊員の官職、氏名及び規律違反の事実を記載した申立書に証拠を添えて懲戒権者に申立をすることができる。

(調査の開始)
第69条  懲戒権者は、隊員に規律違反の疑があると認めるとき、又は前条の申立を受けたときは、直ちに部下の隊員に命じ、又は特に必要がある場合は他の適当な隊員に委嘱して規律違反の事実を調査しなければならない。

(調査の報告)
第70条  懲戒権者から規律違反の疑がある隊員の規律違反の事実の調査を命ぜられ、又は委嘱を受けた者は、当該事実を調査し、調査報告書に当該隊員、参考人等の供述調書又は答申書その他当該事実の有無を証明するに足る証拠を添えて当該懲戒権者に提出しなければならない。

(審理)
第71条  懲戒権者は、前2条の規定による調査の結果、規律違反の事実があると認めたときは、当該事案につき審理を行わなければならない。

(勤務の停止等)
第72条  懲戒権者は、規律違反の事実を調査し、又は審理するため特に必要があると認める場合には、当該隊員の勤務を停止することができる。
 任命権者は、規律違反の疑がある隊員をみだりに退職させてはならない。

(送達)
第73条  懲戒権者は、審理を行おうとするときは、当該審理に付せられる隊員(以下「被審理者」という。)に対し、規律違反の疑がある事実を記載した書類を送達しなければならない。

(弁護人の選任)
第74条  懲戒権者は、被審理者が申し出たときは、隊員のうちから弁護人を指名しなければならない。

(証拠調)
第75条  懲戒権者は、自ら又は懲戒補佐官に命じて被審理者及び証人(第68条の規定による申立をした者を含む。以下同じ。)の尋問その他の証拠調をすることができる。
 被審理者及び弁護人は、証人の尋問その他の証拠調を請求することができる。

(供述聴取)
第76条  懲戒権者は、事案の審理を終了する前に、懲戒補佐官を列席させた上、被審理者又は弁護人の供述を聴取しなければならない。但し、被審理者又は弁護人が供述を辞退した場合、故意若しくは重大な過失により定められた日時及び場所に出席しない場合又は刑事事件に関し身体を拘束されている場合は、その者の供述についてはこの限りでない。
 懲戒権者は、長官の定めるところにより、前項の供述の聴取を部下の上級の隊員に命じて行わせることができる。

(懲戒処分の宣告等)
第77条  懲戒権者は、事案の審理を終了したときは、すみやかに、当該審理に関与した懲戒補佐官の意見及び前条第2項の規定により部下の隊員に供述を聴取させた場合には、その者の意見をきいて、懲戒処分を行うべきであるか、又は懲戒処分を行うべきでないかを決定し、懲戒処分を行うべきであると決定したときは、同時に、その種別及び程度を決定するものとする。
 懲戒権者は、前項の規定により当該事案につき懲戒処分を行うべきものと決定したときは、被審理者に懲戒処分宣告書を交付して懲戒処分の宣告を行わなければならない。
 懲戒権者は、当該事案につき懲戒処分を行うべきでないと決定したときは、被審理者及び申立人にその旨を通知するものとする。

(上申)
第78条  懲戒権者は、審理(第85条の規定により処分を行おうとする場合にあつては調査)の結果、当該事案が自己の懲戒権限をこえるものと認めたときは、その直近上級の懲戒権者に対し、調査報告書、審理調書その他の必要書類に自己の意見を附して上申しなければならない。

(上申を受けた懲戒権者の処置)
第79条  前条の上申を受けた懲戒権者は、本節に定めるところに従い、当該調査報告書、審理調書その他の資料に基いて判断し、自己の権限において懲戒処分を行うべきものと認めたときは、その種別及び程度を決定し、被審理者に懲戒処分宣告書を交付して懲戒処分の宣告を行わなければならない。
 上申を受けた懲戒権者が下級の懲戒権者の調査又は審理が違法又は不当若しくは不十分と認めたときは、当該下級の懲戒権者に再調査又は再審理を命じ若しくは自ら調査又は審理を行うものとする。自ら調査又は審理を行う場合、当該事案につき下級の懲戒権者の行つた調査及び審理の結果判明した明白で争う余地のない事実はこれを証拠として援用することができる。
 上申を受けた懲戒権者が審査の結果、自己の懲戒権限をこえる懲戒処分を要するものと認めたときは、意見を附して更に上級の懲戒権者に上申しなければならない。この場合においては、前条及び前各項の規定を準用する。

(報告)
第80条  懲戒権者が、懲戒処分を行つたときは、長官の定めるところにより、その結果を上級の懲戒権者に報告しなければならない。

(懲戒処分が違法又は不当の場合の処置)
第81条  上級の懲戒権者は、下級の懲戒権者の行つた懲戒処分を違法又は不当と認めたときは、当該懲戒権者に対し、再調査又は再審理、処分の変更若しくは取消を命じ、又はその処分を破棄して自らその事案を処理することができる。
 前項の規定により、上級の懲戒権者が事案を自ら処理する場合においては、当該事案につき下級の懲戒権者の行つた調査及び審理の結果判明した明白で争う余地のない事実は、これを証拠として援用することができる。

(移送)
第82条  規律違反の疑がある隊員又は被審理者が調査の開始以後懲戒処分の宣告以前に転勤したときは、旧懲戒権者は、新懲戒権者に対し、そのときまでに判明している資料を添えて当該事案を移送しなければならない。
 前項の規定により、事案の移送を受けた新懲戒権者は、本節に定める懲戒手続により、その事案を処理するものとする。この場合においては、旧懲戒権者の行つた調査又は審理の結果判明した明白で争う余地のない事実は、これを証拠として援用することができる。

(懲戒処分説明書の交付)
第83条  懲戒権者は、懲戒処分を受けた隊員又は懲戒処分の変更を受けた隊員から請求があつた場合は、すみやかに懲戒処分説明書を交付しなければならない。

(刑事事犯に該当する規律違反の場合)
第84条  懲戒に付せられるべき事案が裁判所に係属する場合にも、懲戒権者は、必要があると認めるときは、その事案について懲戒手続を進めることができる。

(懲戒手続の特例)
第85条  懲戒権者は、規律違反の疑がある隊員に係る規律違反の事実を調査した結果、その事実が明白で争う余地がない場合において、当該規律違反の事実に対する懲戒処分が五日以内の停職、減給合算額が俸給月額の三分の一をこえない減給又は戒告(以下「軽処分」という。)に相当すると認めるときは、本節中第71条以下の審理に関する規定にかかわらず、懲戒補佐官の意見をきいて、懲戒処分を行うことができる。但し、当該懲戒処分の行われる前に規律違反の疑がある当該隊員が審理を願い出たときは、この限りでない。
 規律違反の事実が軽処分をこえる場合においても、その事実が明白で争う余地がなく、且つ、規律違反の疑がある隊員が審理を辞退し、又は当該隊員の所在が不明のときは、前項本文の規定に準じて処分を行うことができる。

(行動時における懲戒手続の特例)
第86条  法第6章の規定により部隊が行動する場合において、事態が急迫しているときは、当該部隊の隊員に係る懲戒手続は、左の各号に定めるところによることができる。
 懲戒権者は、第67条、第74条、第75条第2項及び第76条の規定並びに第76条、第77条及び前条中懲戒補佐官に関する規定の一部又は全部を適用しないで懲戒処分を行う。
 懲戒権者は、調査及び審理の手続の一部又は全部を部下の上級の隊員に命じて行わせる。
 懲戒権者は、調査の結果事実が明白で争う余地のないものであるときは、審理を行うことなく、直ちに懲戒処分を行う。

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